竹川病院に入職し11年目となりました。入院される患者さん、ご家族の多くは「元の生活に戻りたい」と希望されて当院に来られます。入職当初からできる限りその希望に沿いたいと思い患者さんと関わってきましたが、勤続する中で私自身も子育てや家族の入院を経験し、よりその気持ちに共感し具体的な支援を考えられるよう成長する事ができました。高次脳機能障害や認知症により対応が難しいケースや、全身状態により思うようにリハビリが進められないケースも実際にはあり、ケアする側のモチベーションを維持し前向きに関わり続けることの困難さを感じることもあります。しかし難しい状況を共有し励まし合ったり、良い変化を喜び合える環境があり、チームワークを感じながら仕事ができています。チームでの働きかけが回復に繋がっているのを実感できた時が、１番やりがいを感じられると思います。

担当した患者さんのご家族が面会制限のある中病棟での様子を心配されており、面会時間中に少しでも一緒にお話することを心掛けたことがありました。介護が残る状態で自宅退院となりましたが、退院時に「何気ない会話に救われ、前向きに考えることができた」とお手紙をいただきました。この時患者さん、ご家族もチーム医療の一員である事を改めて感じ、入院中から課題や患者さんの状況をリアルタイムに共有する事の大切さを学ぶことができました。患者さんの生活を支える立場として責任感を持ち、これからも一人一人との関わりを大切にしていきたいです。また、家庭との両立をサポートしてもらっている分、これまでの私の経験を活かしてより良いケアに繋がるような提案や、後輩の精神的なサポートができるよう自己研鑽し、役割を果たしていきたいと思っています。